Blackfly Borders
遺伝性疾患について。
BLACKFLYでは親犬たちの各種遺伝疾患のDNA検査結果を踏まえた上での計画的なブリーディングを行っております。DNA検査できる疾患につきましては、交配前に親犬の検査をすることによって発症する子を防ぐ事ができます。
★検査結果で「クリア」と診断された犬は、その疾患の因子を持っていませんので発症することはありません。
★検査結果で「キャリア」と診断された犬は、検査を受けた遺伝性疾患を発症しませんが、その疾患を後世に伝える因子をもっています。
★発症した(またはする可能性のある)場合は「アフェクテッド」となります。
両親犬がどちらもクリアでしたら、うまれてくる子犬はすべてクリア。
片親がクリアでもう片親がキャリアでしたら、うまれてくる子犬は50%ずつの確立でクリア&キャリア。
両親ともにキャリアでしたら、うまれてくる子犬は25%ずつの確立でクリア&アフェクテッド、50%の割合でキャリアとなります。
理想的な交配はもちろんクリア×クリアであり、アフェクテッドの犬が産まれる繁殖をしないことが繁殖の大原則です。
目的がありキャリアの犬を交配に使用する場合は、絶対にクリアの犬としか交配をしてはいけません。そしてその交配でうまれてきた子犬で将来ブリーディングを考えているのであれば、子犬にもDNA検査を行い、将来的にキャリアの遺伝子を撲滅していくための計画的なブリーディングをしていかなければなりません。
しかしながら、現在DNA検査ができる疾患以外にもたくさんの種類の遺伝病があるのです。DNA検査の結果だけに重点をおくのではなく、その他のさまざまな疾患なども考慮して、BLACKFLYではうまれてくる子犬のすべてが心身ともに健康であれるようなブリーディングを第一の目標としていくべきだと考えています。
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遺伝疾患について、「自分の犬に限って発症したりするわけがない」「まわりでそんな病気になっている子を聞いたことがない」と考えていませんか。
すべての遺伝疾患は思っているよりもずっと身近なものなのです。今現在の日本国内の状況では、キャリア因子を持ったボーダーコリーが数多く存在しています。
たとえ故意ではなかったとしても、キャリア犬同士を交配してしまう事により、苦しむ子犬や命を落とす子犬がうまれてくるのです。子犬だけではありません。その子犬を迎えたご家族の苦しみ、悲しみはいかほどのものでしょうか。
当犬舎でも過去にキャリア同士と知らず交配した結果、不幸にもTNSを発症する事になる子犬をうみだしてしまいました。今もなお続く子犬やご家族の苦しみとやるせなさを考えると自責の念に駆られる毎日です。
その交配をした当時はまだ国内でTNSの検査をできる検査機関はなく、当時国内でDNA検査できる疾患(CLとCEA)の検査結果は、母犬も、外交配を頼んだ父犬も、両親犬揃ってクリアであったので、股関節の検査結果も含め万全の状態での交配だと考えていました。しかし、その交配から数ヶ月後に国内でもTNSの検査ができるようになり、受けた検査で両親犬ともにキャリアだったことや子犬の中の一頭がアフェクテッドだったことが判明しました。「まさかうちが。」その当時の私もそう思いました。TNSという病名はなんとなく聞いたことがあったけど実際にTNSと診断された子を聞いたこともなく(おそらく、獣医師さんでもTNSという病名をご存じの方はまだあまりいらっしゃらないと思います。)身近な病気とも思っていなかったところに、まさか自分のところで発症する子がうまれるとは思ってもいませんでした。子犬のTNS発症が判明した時に「どうしてもっと慎重に考えて交配前に海外に検査を依頼しておかなかったのだろう」とどれだけ後悔しても遅かったのです。
BLACKFLYでは、今後二度とこういった子犬をうみださないためにも、新しくDNA検査ができるようになった疾患があれば国内外問わず、迅速に自己所有犬を検査していく心構えでいます。
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プロ・アマ関係なく、一度でも繁殖を手掛ければどなたでも「ブリーダー」です。
自分の行った繁殖によって苦しむ犬がうまれるのを見たい人なんて、きっといないはずです。交配前にほんの少しだけの手間と費用をかけて検査することにより、少なくともその遺伝疾患で苦しむ子犬は確実になくすことができるのです。
今現在では日本国内で検査してくださる検査機関がいくつかありますので、日本語で気軽に検査を申し込む事もできます。海外にはたくさんの項目を検査できる機関もあります。
最低限の「ブリーダー」の責任として、DNA検査が可能な遺伝疾患に関してはどうか必ず交配前に両親犬の検査を受けてください。
繁殖はとてもデリケートで難しいです。たとえ軽い気持ちで子犬を産ませたとしても、その瞬間から“命を作り出した”という大きな責任が伴ってきます。
私は繁殖を人におすすめはしません。うちから出る子犬たちにも、基本的には繁殖禁止を前提として迎えていただいています。
それでも、真剣に繁殖を考えている方にとっては勉強しなくちゃいけないことや調べなくちゃいけないことがたくさんあると思います。実際にどこで何の検査をしたらいいの?ちゃんと検査を済ませているお相手はどこにいるの?などなど…分からない事、不安な事だらけですよね。まずはご自身の犬のブリーダーさんや、犬飼いの先輩さんなどに相談してみてください。相談できる先がないといった方は、私でよろしければお気軽にご連絡ください。数多くいらっしゃる立派なブリーダーさん方の足元にも及びませんが、自分が今までに調べたことや自分自身の経験など、ほんの少しならアドバイスできる事もあるかもしれません。
人間の手で防ぐことのできる遺伝疾患が撲滅しますように。